2024年、レベニューマネジメント事始めのありがたき

2024.01.05

Profile

代表取締役社長 磯部 昌美

1990年スキー場のリフト券発券システム「券作くん」を開発し導入。1991年に株式会社グッドフェローズを創業。

能登半島地震で被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
一日も早い復興をお祈りしております。

ユーザー施設様におかれまして震災による機器の故障等発生の場合は、特別措置対応させて頂きますので、ご連絡頂けますと幸いです。

2024新年挨拶

2024年、あけましておめでとうございます。
本年もチケット施設発展の為、全社員で頑張って行きますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

バリアブルプライシング導入について

施設ビジネスのレベニューマネジメント(収益向上管理)の着手は、バリアブルプライシング導入からだと考えています。

施設ビジネスは、平日と土日祝日、夏休みなどの長期休暇と比べると繁閑差が1倍から3倍、日によっては5倍という差がついたりします。
施設の、収益アップはEvery Time Full. Every Day Full. Every Space Full.が実現すれば、施設最高効率となり最高売上が実現しますが、平日と土日等休日とでは、そもそも流動人口が異なります。

人気の観光地や小規模な人気施設では、毎日満員という事もありますが、日によって人流活性度が異なるため繁閑差を前提に、人気日の休日と閑散としている平日のチケット価格をバリアブルプライシング(変動価格)にした方が、収益が向上します。

コロナ禍前の価格設定と現状

コロナ禍前は大半の施設のチケットが単一価格で販売されていました。
販促プロモーションやキャンペーンで、割引き施策を実施して販促活動する事などが主で、基本窓口販売は単一の定価販売が当たり前でした。
また、客待ち商売のビジネスモデルの為、旅行業者等にコミッションを支払って送客してもらうという方法も採用されて来ました。

しかし、コロナ禍で三密防止、ディスタンシングコントロールが必要となり、入場時間枠で定員を設定して予約制を取り入れる施設が急増しました。
入場予約枠を設定すると、1日の内でも、人気時間枠と不人気時間枠が明確になります。
日が異なると、平日の入場枠と休日の入場枠の人気度は更に差がはっきりしてきます。

人気枠には、価格を上げても価格負けして購入者が減らないレベルの高価格を設定します。
もちろん、その価格では買いたくないというゲストもいて、他の低価格な日に逃げて行くゲストもいますが、その価格でも全く問題ないというゲストが即座に購入して結局はすべての枠が完売となります。

販売データを見ていると、その状況が一目瞭然です。
Webketの電子チケット販売なので、売れ行き状況はリアルタイムで把握する事が可能です。

バリアブルプライシングの価格設定について

バリアブルプライシングは、3価格帯程度で始めて4-7価格帯の変動価格制を取り入れている施設が多い印象です。
先行して採用された大阪USJ様も通常6価格帯制で、最高額を引き上げる時に一時的に7価格帯制を採用されているようです。
ディズニーランド様も似たような形です。(オフィシャルHP調べ)

では、どうやってバリアブルプライシングを設定するかというと、まず過去入込み実績データから平日や土日、GWや夏休み期間中の入込み人数を分析します。
大雑把にデータ分析して10通りに分けてみて、似通った人数傾向の日を3グループ程度に分けて、それぞれの価格を設定してみます。
通常の平日をX円として、土日祝日を+500円として、特別日を+1,000円にしてみるという感じです。

その価格を未来日の営業カレンダーに当てはめて、価格設定します。もちろん機械的に変動させるだけでは、ゲストもスタッフも振り回される事態になりかねないので日毎の微調整は必要です。

価格を無闇に高く設定して大丈夫かという心配が出てきますが、価格許容度など価格決定は重回帰分析等高等数学を使ってデータ解析して、価格決定モデルを作って決めます。

GFシステムで行うバリアブルプライシング

グッドフェローズでは専門の大学の先生と価格決定モデルの構築を進めています。

単一価格制からバリアブルプライシング制に移行する事で13~18%収益性が向上するようです。
もちろん、これは繁忙日に入り切れない程のゲストが殺到して、施設を楽しむどころではなくなる人気施設に向いている制度ですが、プライステックを使って収益性の向上を図って行く事は、どの施設にも当てはまる事かと思います。

券作くんは、元から1つのチケット商品に10価格を設定できる価格帯という機能が実装されています。

これによって、日によって違った価格設定を実現する事ができます。
もちろん、異なる商品として登録して、簡単に商品別売上分析を実施してバリアブルプライシング制の成果を確認する方法を取る事も可能です。

バリアブルプライシングは、施設直売のみであれば大きな問題もなく実現できますが、旅行代理店等と販売提携などをしている場合は、相手先エージェントにも変動価格での販売を実現頂く事が前提となるので、事前の調整が必須となります。

もう一つ、ゲストが予約日に急に都合が悪くなり、他の日に予約変更することにより、変更日のチケット価格が異なる場合は、その差額処理で返金や、差額追加徴収の為、ひと手間増えるのでそれらの処理も簡単に実現できるようにして置かなくてはなりません。

グッドフェローズでは、バリアブルプライシング採用の潮流に合わせて、簡単運用が実現するよう更なるバージョンアップを検討しています。

一つのアイディアとして、予約と購入決済を分離して、実際に来場したタイミング(着券時)に決済する方法です。
それが、実現すれば実利用日の価格で決済され利用できる為、ゲストも施設も面倒がなくスムーズに運営できると考えています。

施設の運営は、とどまること無く進化して行きます。グッドフェローズのプロダクト群もサービスも更にバージョンアップを続けて行きますので、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。