【導入事例】東京スカイツリー様 「マル券くん、チケットHUB®の導入」

2022.09.30

東京スカイツリー様では、開業から様々なグッドフェローズのシステムをご活用いただいております。
今回は、「マル券くん」と「チケットHUB」の導入についてお話を伺いました。

マル券くんとは
マルチ決済対応自動券売機システムです。
チケット発券システム「券作くん」と連動を行うことができ、通常のチケットに加え、時間券、割引クーポン、Webチケット交換などの取り扱いが可能です。
券売機の他にもコストを抑えた「キャッシュレスマル券くん」、食券が販売できる「レストラン用マル券くん」がございます。
チケットHUB®とは
チケット施設様(テーマパーク、水族館、スキー場、博物館、美術館、展望施設、遊園地、プール、庭園、ロープウェイ、プラネタリウム、動物園など)とチケット販売業者様(セラー)を結ぶプラットフォームです。
Web API接続により、チケットを流通させることで、チケット販売の幅を広げます。
東京スカイツリー
東京スカイツリーは2012年5月22日に開業し、今年で10周年を迎えました。
開業以来、グッドフェローズの「券作くん」「YOYAQueen」をはじめとする複数のシステムを導入し、累計展望台には4,070万人を超えるお客様をお迎えしております。

「マル券くん」「チケットHUB」導入事例インタビュー

東武タワースカイツリー株式会社 田淵 理一 様

2011年に東武タワースカイツリー㈱へ新卒で入社。
東京スカイツリー開業前の立ち上げでは大手旅行会社、クレジット会社等との契約交渉を担当する。
その後、旅行会社、教育機関、法人企業の営業を行いながら、WEBチケットの管理全般を担当している。

「マル券くん」「チケットHUB」導入前の問題・課題

東京スカイツリーはローコストオペレーション(コストを圧縮させた運営)という目標を掲げています。
チケット販売に関しては、人員の配置をせずともお客様がストレスなくチケットを購入できる仕組みを目指しています。

これまでは有人カウンターでチケット発券システム「券作くん」でのチケット販売を行ってきましたが、現場のオペレーションを極力削減したいという課題がありました。

「券作くん」導入のメリットの一つに「様々な券種の取扱いができる」というものがあります。
たとえば、旅行会社のバウチャーで「チケットHUB」に連携されていない紙チケットの取扱いなど、イレギュラーな券種にも対応できるようになります。
しかし、これによりイレギュラーごとにマニュアルが必要となり、その作成に時間を費やすなどのデメリットが発生していました。
特に、海外OTAのバウチャーなどはマニュアル作成が間に合わないほどの数で、こういった業務の手間や、オペレーションなどに係る人件費を削減し、効率の良い運用を行いたいと考えていました。

「マル券くん」「チケットHUB」導入の経緯

「券作くん」をはじめとしたグッドフェローズのシステムは、スカイツリーの開業(2012年5月)時から導入し、現在も運用しています。

当時の「券作くん」導入を決定した経緯は、今後のスカイツリーでのチケッティングシステム運用にあたり、他の観光施設様を参考にしたうえで、グッドフェローズの「券作くん」はチケット販売だけでなく、売上集計も連携しているため、汎用性の高いシステムだと考えたためでした。
実際に団体システムや会計システム連携などスカイツリーの運用に合わせてカスタマイズし、活用しています。

「マル券くん」導入の経緯

グッドフェローズから、付随したサービスに、マルチ決済自動券売機「マル券くん」という、無人の販売システムがあると紹介をいただいたため、まずは350m天望デッキにある450m天望回廊までのチケットを販売している有人カウンターの代わりに、「マル券くん」を1台設置しました。

マル券くん導入以前も、ほとんどのお客様が天望回廊までのセット券を購入されるため、天望デッキで天望回廊までのチケットを追加で購入されるお客様は1日に10組程でしたので、天望デッキに有人カウンターを置くよりも、無人券売機で運用を行ってみようということになり、そこから試験的に「マル券くん」導入がスタートしました。

2ヶ月ほどテスト運用を行い、そこから4階のメインであるチケットカウンターにも「マル券くん」を設置しました。

無人販売機よりも、有人チケットカウンターの方がチケットの販売スピードは速いのですが、コロナ禍になったことで来場されるお客様が少なくなり、この機会にと「マル券くん」を4階チケットカウンターにも4台設置しました。

「チケットHUB」中心の運用

「チケットHUB」はコロナ禍以前から導入していました。
今回、旅行会社の契約を半分ほど解約しました。チケットHUBに繋がっているチケット販売業者様と契約を行っています。
さらに、海外のOTA様は「チケットHUB」に繋げ、そこから予約を入れていただくことにいたしました。

「マル券くん」「チケットHUB」導入の効果

「マル券くん」の効果

2019年とコロナ禍になってからの今では、お客様の来場者数が変わってしまっているので、具体的な数字での効果はまだ見えてきていません。
それでもチケット販売のオペレーション業務を縮小し、人件費の削減は出来ていると感じています。

ただし、「マル券くん」の購入方法やどのチケットを購入したらいいか分からないと迷われるお客様もいらっしゃるため、その際の案内を行う人員を配置しており、そのため、チケット販売カウンターをまったくの無人カウンターにするというのは難しいかと考えています。

また、急にご来場されるお客様が増えてしまった際、「マル券くん」4台では、お客様の対応に十分な数ではなく、購入までに時間がかかってしまいます。
さらに土日祝日などの混雑時には、お客様を天望デッキへご案内するエレベーターは空いているのに、「マル券くん」にお客様が並んでしまい、有人カウンターでの販売の方がより早くチケットが販売できるという現象が起きています。

そのため「マル券くん」では、お客様が購入の際に、なるべくわかりやすく、スムーズ購入できるよう、「天望デッキ」と「天望デッキ+天望回廊」の2種類のチケット販売にし、シンプルな販売内容としています。
また、チケットの無人販売機は通常券を販売している「マル券くん」と、事前購入(Webチケットストア購入など)されたQRチケットとの交換を行う「着券くん」の2種類があるため、間違えて並ばないよう「マル券くん」は青に、「着券くん」は赤にするといった具合に色で分けたり、お取り忘れ防止にオリジナルの受け皿を設置するなど、工夫をしています。

「チケットHUB」の効果

現在、スカイツリーのチケットの予約や販売を行っている海外や国内の旅行会社様やWebチケットストア様などは、チケットHUBに繋がっているため、入場オペレーション(QRコードで着券)が統一され、特殊なバウチャーが減ったことにより、マニュアル作成などの作業を減らすことができています。

Webチケット販売は、順調に伸びており、最近ではコンビニ販売が徐々に回復してきました。
インバウンドもまだまだ少ないですが、徐々に戻ってきていると感じます。
チケットHUBで事前購入をしていただいたお客様は、混雑時でも「着券くん」でスムーズにチケット交換を行い、ご入場できます。

券作くんのマスタ登録(券種の登録)は、基本の仕組みを作ってしまえば、作業は分かりやすくなります。最初の設定は大変です。
その後の、チケット券種ごと、委託先ごとの売上集計などは楽にできています。
私は券種などのマスタ登録担当なので、なるべくマスタは簡単に作成したいと考えていますが、券種の数も多くとても大変な作業だと感じます。
マスタ登録と売上集計のどちらが楽になるのがいいか、結果的に何年も運営を続けていくことを考えると、最初の設定は大変だけど売上集計が楽な方がいいのかと思っています。そのため、大変ですけど、マスタ登録の作業を必要な業務としてとらえて頑張って作っています。

チケット販売や入場に関して、人員を配置せずに自動化を行い、お客様には「チケットHUB」に繋がっているチケット、もしくは当日券を「マル券くん」で購入いただくというのを目指しています。

今後の方針

「マル券くん」と「着券くん」各4台ずつ設置していますが、まださらに4台ほど設置できるスペースがあります。
今はそこまでではありませんが、いずれコロナ禍が収束し、お客様が戻ってきた頃には「マル券くん」4台では足りないと思いますので、計8台にしたいという考えが出ています。

この夏は「マル券くん」に、例えば30分毎に350人分のチケットの在庫を持たせる仕組みを考えています。
そうすると、買いたい時間があっても在庫が完売していたら購入できず、空いている時間帯のチケットを購入することになります。
時間券を「マル券くん」で販売するというトライをやらせていただきます。

チケットHUBに関しては、現在チケット予約は前日までとしていましたが、当日も予約を受付けようと考えています。
指定時間の30分前からチケット交換をできるように時間毎での管理を行い、より一層、お客様に便利に使っていただきたいと思います。

ダイレクトインについても検討をしています。
しかし、入場ゲートはQRコードを無人の自動ゲートで読み込ませて入場していただく仕組みですが、関係のないQRコードや、有効期限が切れたチケットを持って来場されるなどのケースもあり、QRコードの読み込みができずゲートが開かないので詰まってしまい、結果混雑になってしまうといったケースがあります。
現状はこの課題がありますのでダイレクトインは行わず、紙チケットに引き換えをして入場していただくという仕組みになっています。

自動化を目指していますが、すべてを自動化にしてスカイツリーのサービスが低下するというのは違います。
今後もお客様により快適に便利に楽しんでいただける仕組みを模索しながら、ローコストオペレーションを目指していきたいと思います。

東京スカイツリー様は「チケットHUB」とGFシステムを上手く活用されているだけでなく、お客様の利便性向上のために様々な工夫をされていると感じました。
このたびは、ご協力ありがとうございました。

導入システムについて

チケットHUB®
様々なチケット施設様と各種トラベルエージェント等オムニチャネルを繋げたチケット流通プラットフォームです。
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マル券くん
マルチペイメント自動券売機
キャッシュレス決済対応のタッチパネル式券売機です。「券作くん」とデータ連動しているので、チケットの登録や販売実績の集計が楽に行えます。
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券作くん
チケット販売管理&営業支援システム
スキー場、遊園地、水族館など、集客施設様の入場券や利用券を間単に発行できる窓口発券POSのパッケージシステムです。様々なチケット施設様の運用に対応できる汎用性も備えております。
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GFのシステム連携
チケットの事前販売から入場、退場、売上の一元管理まで、集客施設様の営業管理業務をカバーすることが可能です。
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