
Profile
取締役 プロジェクトマネジメント推進部 部長 中橋未来也
2007年入社。営業部、カスタマサービス部を経て、プロジェクトマネジメント推進部にて主にパッケージ製品の仕様・品質管理を担当。
2022年11月より取締役に就任。
グッドフェローズのチケッティングシステムは、スキー場からその歴史が始まりました。現在では、全国約60施設のスキー場にご導入いただいております。毎年この時期になるとカスタマサービス部は、来たるスキーシーズンに向けた定期点検やメンテナンスで出張に行く社員も多く、繁忙期を迎えます。
本記事では、スキー場施設向けシステム開発の重点取組として、オーストリアに本社を置くSKIDATA社とのICカードゲートシステム連携強化の歩みをご紹介します。
この開発の背景には、既にチケット発券POSシステム「券作くん」を導入いただいた施設様における、リフト乗り場での安全乗降管理や改札係の人手不足といった課題があり、自動改札化へのニーズが高まっていたことがあります。
これらの課題に応えるため、グッドフェローズはSKIDATA社、販売代理店スノーシステムズ社との共同開発を推進。現場スタッフの省人化・省力化を実現するとともに、スキーを楽しむお客様により快適な入場体験を提供しています。
2025年9月時点で、SKIDATAのICカードゲートシステムの導入施設は30か所となっております。
2016年:チケット発券POSからのICカード発行

2014年に当社チケット発券POS「券作くん」をご導入いただいた札幌国際スキー場様のご要望を受け、2016年にICカードゲートシステムを導入したのが始まりでした。
SKIDATA社製ICカード発行機(コーダー)を接続してのICカード発行は、当時他社事例がなく大きな挑戦でした。シーズンパスや日付指定券、オープン券など多様なチケット種類への対応、カード用顔写真の撮影、カード印刷時間など、課題は山積していました。紙チケットからプラスチックICカードへの移行は一見容易に思えますが、施設様ご要望の機能実装には約2年の開発期間を要しました。
2020年:オンラインチケットストアでの販売
チケット発券POS「券作くん」へのICカード発行機能導入の次は、オンラインチケットストア「Webket」で事前購入したチケットを現地でICカード化する開発に着手しました。
ICカード化には以下3つの方法があります。
①購入情報をもとに「券作くん」でICカードに交換する(窓口ピックアップ)
②購入情報をもとに「SKIOSK®」(SKIDATA社製セルフ発券機)でICカードに交換する(セルフピックアップ)
③既にICカードをお持ちのお客様は、WebketマイページにICカード番号を登録し、購入情報を連携・有効化する
①②はスキー場到着後に手続きを行いますが、③はゲートダイレクトイン(カードを使用して現地手続きなしでゲート通過)が可能です。いずれも事前購入に対応することで、当日の窓口混雑緩和につながり、施設様とお客様双方にメリットをもたらしました。
2023年:集計機能の改善
WebketとSKIDATA社サーバデータの迅速な連携に焦点を置き、2023年にはデータ連携の大幅改善を実施しました。施設様サーバ内にSKIDATA社専用APIを設置することで、交換実績や着券実績を迅速かつ正確に取得できるようになりました。
以降、インターネット通信環境の影響を受けにくくなり、集計時の動作が安定しております。
2024年:「マル券くん」からのICカード発行
2024年には、施設様ニーズの高まりに応え、マルチペイメント自動発券機「マル券くん」セルフ機でのICカード発行を実現しました。現地購入のほか、「券作くん」同様に「Webket」で事前購入したチケットの交換(ピックアップ)も可能となりました。
2024-2025年:ICカードへの割引機能追加
昨年のスキーシーズンでは、戸隠スキー場様で新たに追加したICカードを使った割引機能が活躍しました。スキー場内のレストランに設置した「マル券くん」にシーズンパスのICカードを読み込ませると、1日1回対象メニューが割引になる機能です。
スキー場のスタッフがシーズンパスを目視で確認する必要が無くなり、リピーター特典付与の省人化につながっています。
また使い回しもできない仕組みなので、導入施設様からは大変好評をいただきました。
今後の施策:チケットの不正利用対策を強化

機能を強化してきたことで導入いただける施設様も増えてきましたが、どこの施設様でも課題となっているのは、チケットの不正利用です。 特に、シーズンパスの不正利用(使い回し)は喫緊の課題と受け止めています。現在、購入者しか利用できないよう、利用時に本人認証を行う仕組みなど、様々な不正利用対策を進めております。
グッドフェローズは、これからも施設様のニーズに寄り添い、チケット流通に貢献していきます。 今後の展開に、どうぞご期待ください。