旅行、集客施設におけるDX化

2022.04.22

Profile

取締役(CS部・開発部管掌) 吉津 宗吾

2000年に合同会社ユー・エス・ジェイに入社し、パークシステムの導入に従事。一度会社を離れ、多数の会社でシステム構築の事業を担当。2015年に再度株式会社ユー・エス・ジェイへ入社、新POS、ゲート導入に携わった後、2016年にシステム情報室 室長として従事。2019年より株式会社グッドフェローズへ入社し、現職は取締役 (CS部・開発部管掌)。

今回はコロナからは少し離れて、旅行、集客施設におけるDX化について少しお話したいと思います。

DX化の定義

詳細に入る前にまずはDX化の言葉の定義を明確にしておきましょう。
DX=Digital Transformation(デジタル トランスフォーメーション)の略語です。
経済産業省では「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」 と定義しています。

IT化とDX化を混同されることが良くあるのですが、IT化は既存のビジネスプロセスや業務において、IT活用することで、業務効率を図ったり、利便性を上げたりすることです。
一方、DX化は変革をもたらすことを目的とし、そのためにデータとデジタル技術を活用することになります。
業務効率化のためにEXCELではなく、販売管理システムを導入したというような場合はIT化ということになります。

旅行、集客施設におけるDX化

では、具体的に旅行、集客施設におけるDX化に話を移しましょう。
旅行ではひと昔前には “人は旅行代理店の店舗を訪問し、パンフレットに載っている旅行を選択し、金額等に応じてホテルを指定し、飛行機・新幹線を指定し、必要に応じてオプションとして、集客施設のチケットも購入する” というのが一般的な流れでした。

パソコンの普及により別々のサイトですが、宿泊・移動手段(飛行機・新幹線など)の予約を自宅から行えるようになりました。その後、各交通系の会社より提供されるAPIの発達により、移動手段付きの宿泊プランの購入を行えるようになりました。オプションとして、レンタカーの予約もできたりします。また、宿泊・移動手段共にダイナミックプランを採用しており、予約するタイミングや宿泊のプランや移動手段の時間帯によって、金額が動的に変化し、利用者が自分自身の志向に応じて選択することができます。

例えば、ホテルのランクにこだわる人、移動手段の利便性(時間帯)にこだわる人、コストにこだわる人などです。

今でこそDXが大きな話題となっていますが、この例もそれまでのビジネスモデルを大きく変えたという意味ではDXの一環と言えますね。

USJではUSJに来る人に対して、チケット(1デイや2デイなど)+宿泊+移動手段+エクスプレスパス(アトラクション、時間指定)の全てを自由に組み合わせられるダイナミックパッケージプランなども提供しています。

これは集客施設という目的地を選定してそれに関わるオプション・宿泊・移動手段なども自由に組み合わせて自分自身の手で旅行プランを作り上げるというものになります。

今後は複数の施設を目的地とし、それらの施設のチケット手配、その先々での宿泊手配、移動手段の手配までひとつのシステムで出来るようになっていく方向に進化を遂げていくと想定しています。

個人の志向分析のAI化も進み、自動での旅行提案システムも構築されていき、旅行予約や集客施設予約自体の概念が変わっていくことでしょう。